パラオ在住者、元在住者、パラオ関係のお仕事の人、パラオを愛する人々によるパラ×パラオリジナルコラム

い
きなりバナナなのだ。今、目の前の窓から庭が見える。そこに1本だけあるバナナの木がある。僕はバナナを良く食べる。甘いものは苦手な僕がバナナだけは別なのである。あの黄色くて色っぽい“しなり”のあるボディー。ほんのりと青臭い、程よい酸味と甘み。そして他の果物には無い何本もが一つの束なって出てくる大軍勢的な房。さらに消化吸収が早くて急なエネルギー補給にも適していて、食物繊維も多く含んでいるとくれば、食べ物にうるさい健康志向なお母様方のハートも“わしづかみ”である。(ホントかな?)
さて、日本でも普通に目にするバナナだが、実はバナナって世界中にものすごい種類があるのだそうだ。小さいものは15cmくらいのモンキーバナナから、大きいものは長さが50cmにもなる、その名の通りジャイアントバナナまで実に250種以上ある。そしてここペリリューには、その250種のうち6種類のバナナがある。

し
かし、その6種類に入っていない幻のバナナがこの島にはあった。その名も“マンゴーバナナ”。このマンゴーバナナ。幻というだけあってペリリュー島にはその木が1本しかない。だから、なかなか実も生らないし、島の人たちでさえも食べたこと無い人が多いという超レア種なのだ。先日それを運よく食べることができた。自称バナナ通の僕としてはこのチャンスを逃さない。早速一ついただいた。
写真にあるようにサイズは缶コーヒーより少し大きいくらい。普通のバナナの半分くらいの長さで、太さは2倍ほど。外側は茶色に変色して少しやわらかくなってきたら食べごろのようだ。皮をむいてみると黄色い果肉。ムチムチともモチモチともいう、やわらかさと弾力、そして粘りがある。一口食べてみると味はマンゴーとバナナを足して2で割ったような味。ううん、違う。名前の通り「マンゴー味のバナナ」だ。最初に名付けた人はすごい言い得ている!
甘い、香りの良いマンゴーの味。しかし食感はバナナ。正直これはウマかった!初めて食べた感覚で、モッチリとした果肉は力強い甘さを持ち、これだけで相当にパンチがある。アイスなどと一緒に食べても美味しいのだろうと思った。
このマンゴーバナナ、食べ方にルールがあって芯は食べないのだそう。何故だか分からなかったので食べてみた。確かに芯は少し硬めで“エグイ”感じが少ししたが、まあでも食べられないこともなかった。
その日は、幻のバナナを食すことができた幸運に機嫌を良くしながらショップに戻った。そして思った。あの味を、あの食感を皆にも試してもらいたいと。しかし、あの木はペリリューに1本しかない。悩みに悩んだあげく、僕は思った。 「バナナとマンゴーを混ぜて食べたらどうか?」 後日、試してみたがなんだか違っていた。雰囲気は近いがやはり本物のそれとは違う。やはり幻の味は幻だったか。
横でマンゴーバナナを食べたことの無い友人は美味しそうにそれを食べていた。これだって、ちゃんと美味しい。冷えたマンゴーとバナナを食べながら、いつまた食べられるか分からない幻のマンゴーバナナのことをしばらく考えていた。
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秋野大 (あきの ひろし) デイドリームパラオ URL; http://www.daydream.to/ |


