Google WWW を検索 palauxpalau.com を検索
パラオ在住者、元在住者、パラオ関係のお仕事の人、パラオを愛する人々によるパラ×パラオリジナルコラム

ココナッツオイルの秘密

ラオのスーパーの片隅に、何の説明もなく500mlのペットボトルに入った、黄色い油のような液体が売られています(寒い店内では白く固まっている)。分かるのは値段が$2.95だということだけです。
これがパラオ人が日常使うココナッツオイルです。主に料理に使うそうで、サラダ油の代わりにこの油で魚を揚げたりします。また素潜りをする人はこれをサンオイルのように体に塗ります。こうすると寒くないと言います。
私がカープアイランドで働いていた時、時折ビーチにニックニック(サンドフライとも言われる)という見えないくらい小さな虫が発生し、足をよく噛まれました。地面にいる、白ゴマを1/3くらいにしたようなほとんど見えない小さな虫で、季節によりペリリュー近辺に多く、特に朝夕、足首の周りがちくっとしたらもう噛まれています。噛まれたら最後、すでに何10ヵ所も刺されており1ヶ月くらいかゆく、何をつけてもかゆみはおさまりません。困っている私にカープのボス、マリちゃんが「ココナッツオイルをつければダイジョウブ。跡も消えるし虫ももう来ないよ。」と言うので初めて使ってみました。ボツボツの足にサンオイルのように毎日塗っていると、1年近く消えなかったボツボツが1ヶ月くらいでなくなりました。すごい!!油を塗っても足はかゆいのだけど、かきむしっても油が足に浸透して、掻き崩しがなくなるようです。また、これを塗っておけばニックニックは油ですべって足を刺せないそうで虫除けにもなります。
他の用途として、私は裏がゴムのウエットスーツを着る際、普通水にぬらさないと滑らずに着られないのですが、ココナツオイルを手足に塗ってから着ます。ツルンと着れるし、肌の保湿効果もあるようです。手のひらはベトベトになるのでその手で髪の毛をこすります。髪で手を拭く、という感じです。すると髪の毛は良質のトリートメントをつけたようにしっとりサラサラします。椿油、というのもこんなものなのでしょうか?植物からできた油は、つけるときはギトギトしていますがすぐになじみベタベタ感はなくなります。
その他、ココナッツオイルは有名なジョンソン社のベビーオイルのように万能に使えます。日焼けオイル代わりにもいいし、日焼け後の痛んだ肌の保湿剤としても使えます。蚊よけにも傷消しにもなります。ウエットを着る私を見て「何を塗っているのか?」と尋ねるお客さんに説明するのですが、興味を持って買っていかれた方はみなとても気に入り、「もっと買っていけばよかった。」と口をそろえて言います。男の人は海に行く時のサンオイル代わりや日焼け後に重宝すると言い、アロマテラピーなどに詳しい女の人はオイルマッサージに使うととても役に立つと言います。





なみにココナッツオイルはパラオで手作りされ、空きペットボトルに入れられたノーブランド。新鮮で無添加です。油なので数ヶ月たつと酸化して匂いが変わりますが、買いたては甘いクッキーのような幸せな香りがします。はちみつと一緒で、気温が低いと白く固まってしまいます。ちなみに人間が涼しいと感じる温度下で固まりはじめます。秋口でも、クーラーの強い室内でも。その場合は使えないので、お風呂に浮かべたりコタツにいれたりすると溶けるかと思います(パラオにはお風呂もコタツもないので想像ですが)。売っているものは黄色から茶色まで色が様々ですが、煮詰め具合によって色や香りが違うのです。買う時ちょっと開けて匂いを確かめ、好きな香りを選びましょう。
私はカープにいた時、時間があったので実際に手作りしていました。半日仕事ですがジャムを煮るような地道な作業で楽しかったです。お客さんに教えながら、薪を炊いてダイビング後に楽しく作っていました。
まず500mlの1ビンを作るのに、茶色くなった椰子の実7−8個が必要です。中身を割ると、もう古すぎて甘くない水のようなココナッツジュースが出て(これは捨てずに取っておく)、殻の裏側に白く硬い果肉が付いています。これをギザギザスプーンのようなものでザリザリと削りとります。これを乾燥させたものがお菓子のトッピングに使われるココナッツフレーク。割りたてを削りとり、ガーゼに包んで絞るとドロッとした白い液が取れます。これは料理に使うココナッツクリームです。新鮮なものは濃厚で美味しいのなんの。これと先ほど取っておいたココナッツジュースを混ぜたものが缶詰で売っているココナッツミルクです。これを8個分取り、鍋に入れて中火にかけます。鍋底を焦がさないように時々へらで混ぜ火加減を調整し、2時間くらい煮立てると白かったミルクは最後に透明になり、表面に天カスみたいなものが集まります。脂肪分が分離して固まり、下に油が残るようです。さらに煮続けると天カス状のものが焦げてきて、汁は透明から黄色、そのうち茶色になります。透明のうちは香りのないココナッツオイルですが、焦げるにしたがって甘い香りが出てきます。いい香りの時に火を止めないと焦げ臭いオイルになってしまいます。
最後に天カスを網でこしてココナッツオイルが完成。残ったカスはキャラメルのような粘りのある甘い味で、お菓子になります。ローカルストアではこれを太ったソーセージのような形でラップで丸めて$1-2で売っていますが、なにせ何の説明もついていないので我々には何が何だか分からないため観光客には全く知られていなく、ココナッツオイルをはじめこれらは、隠されたパラオのアジのあるお土産であると思っています。

東出陽子

東出陽子 (ひがしで ようこ)
パラオ暦8年半、総タンク本数4500本(2007年6月現在)。Fish’nFinsガイドインストラクター。国際色豊かな当店の日本人ダイバー部門の営業、予約、ガイドを6年間ほぼ1人で受け持ち、自分が受けたいと思うようなガイディングを心がけている。不定期でリピーターあてに発信する型破りなYOKOニュースが好評。
URL; http://it-net.ddo.jp/fishnfins/



リンクフリー
こちらのバナーをご利用ください。