パラオ在住者、元在住者、パラオ関係のお仕事の人、パラオを愛する人々によるパラ×パラオリジナルコラム

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イビングの楽しみ方は人それぞれいろいろあると思います。その楽しみ方のベクトルをなるべく多方面に向かって持っていることが、ガイドの懐の深さに繋がります。ゲストがダイビングに求めているものは様々です。下には〜派という形で分類しています。以下に典型的な〜派を紹介します。(癒し系派)とにかくノンビリ、サンゴが綺麗なポイントやブルーホールなどの地形ポイントでボーっとしたいタイプ。
(大物派)ブルーコーナーなどの流れがガンガン流れる場所で大物や群れを見たい。
(マクロ派)珍しかったり、綺麗だったり、かわいかったりする小物を見たい。
(カメラ派)水中カメラを持っていて、いかに綺麗な写真を撮るかに熱中したい。
以上の4パターンが代表的なものかな?他にも沢山あると思いますが。 ゲストには上記のどの方向にもベクトルが向いている人もいるし、どの方向にも向いていない人もいます。どれか1つのベクトルに偏っている人もいます。「どの楽しみ方のゲストにとっても、ベストのものを見てもらう」という点にガイドは努力しなくてはいけません。パラオの場合大物を見たい人が多いので、ガイドはどの潮のタイミングでどのポイントでどのコース取りをすれば大物が見られるかは常に考えて潜っています。また小物好きの人のために常に新しいネタに敏感になっている必要があります。小物派のゲストのリクエストに応えるためには何処にどんな魚が住んでいるかを細かく覚えておく必要があります。
あとテクニックばっかりに集中して、ガイド自身が感受性を鍛えるのを忘れてしまうといけません。パラオでしばらくガイドをしていると、海の中の様子は分かるようになります。どこに何がいるか分かればゲストのリクエストに応えることができるようになります。でも淡々と作業をこなすかのようにリクエストの魚を見せているだけでは行き詰ってしまいます。そこを突き破るにはガイド自身の感動する心が重要になります。
このガイド自身が楽しむということはゲストの楽しみ方のベクトルを増やすことにも繋がります。ガイドが夢中になって楽しんでいると、今まで興味が無かったベクトルにも見せられる方に楽しさが伝わってくるものだからです。
以前ブルーマーリンの研修生でタカちゃんというインストラクターがいました。彼は以前沖縄でサンゴの研究をしていて、魚についてはそれほど詳しくないのですが、サンゴに対しては深い造詣がありました。ブルーコーナーでダイビングしても魚の写真はほとんど撮らずに、棚の上のサンゴばかり写真を撮っている変人です。僕から見てもかなり異常な人です。一度タカちゃんと一緒に潜った時、彼がゲストに水中スレートでサンゴのことを沢山教えているのにビックリしました。サンゴで長い間ゲストの興味を引っ張れる彼の知識もすごいと思いましたが、その水中での彼のスレートを書いている姿は体中から「サンゴってこんなにかわいいんです〜!!大好きなんです〜!!」っていう感情が溢れていました。その彼のサンゴ好きオーラに包まれながらサンゴの細かい説明をスレートで見ていると、ドンドン彼の世界に引き込まれて、いつのまにか私も彼のサンゴレクチャーを楽しんでしまっていました。まあ、これは極端な例ですが・・・
ガイドの好みの押し付けにならないように、バランスに気をつける必要がありますが、ガイド自身が水中を楽しむことで、ゲストは今まで気がつかなかったダイビングの楽しみ方(ベクトル)を発見することができるのではないかと思います。ウミウシにハマってもいいですし、ホヤにはまってもいいし、プランクトンにハマってもいいと思います。
知識を沢山持っていても感受性が無いガイドではダイビングはつまらないものになってしまいます。知識だけではなく、海に対して常に楽しみを見出す能力を持っている人が良いガイドで、懐の深いガイドに成長するんだと思います。まあ海が好きだからみんなガイドになったわけで、好きだからみんな魚に詳しくなるので、その心をいつまでも維持、持続することが必要なんでしょう。
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石浦龍二 (いしうら りゅうじ) 2000年からパラオ、「ブルーマーリン」で ダイビングのガイドをしている。好きな魚はマンタ。趣味は食べること。写真を撮ること。 URL; http://www.meluis.com/ |


