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パラオ在住者、元在住者、パラオ関係のお仕事の人、パラオを愛する人々によるパラ×パラオリジナルコラム

ロールのゴミ処理場には、リサイクルすればまだまだ使えそうな金属やプラスチックが何年も風雨にさらされて山積みにされていました。
しかし、最近になって日本の国際援助により、それら資源ごみの分別が始まりました。そしてそれは、貴重な再資源として他国に輸出されるようになりました。プラスチックごみでは、馴染みのあるペットボトルが主に輸出され、金属では鉄を筆頭に銅や真ちゅう、鉛、アルミニウム、ステンレス等。(写真1)

ここでは、その中でも鉄に次ぐ身近な金属、アルミニウムについて触れることにします。

バベルダオブ本島の北西に位置するガラスマオ州では日本統治時代、アルミニウムの原料としてボーキサイト(土の中に眠る鉱物)の採掘が行われていました。また、当時の雰囲気を髣髴とさせる歌として、♪アールミーノシィゴォートォー・・♪♪という日本語歌詞とパラオ語歌詞の混在したローカルソングがあります。実に軽快で愉快な歌で私は大好きです。

ところで、ボーキサイトの採掘と聞いてどんなものを想像しますか?初めて私がその場所を訪れたときの感想は「えっ!ここが!?」という感じでした。そこはただただ漠然とした土地、強いて言うならば「段々畑?」とでも言いましょうか。いや、でもそこには何か特別なオーラが出ている気がしました。小学生の頃にテレビで見たことがあった、すり鉢状の採掘現場とは似ているようで全く違いました。(写真2)

目前に広がる景色を見てふと思ったのです。「ボーキサイトってアルミを作る原料やんなぁ?これを掘っても当然アルミは出てけえへんやんなぁ?」「一体全体どれだけの土を掘り返して精製したら自動車1台分のホイールになるんやろ?」と。便利な道具も頼もしいユンボもないあの時代の先人による尋常ではないパワーに度肝を抜かれました。そして何よりも、普段当たり前にあるアルミが原材料になるまでに費やされる多工程に驚きました。
そして、そんな赤土から原料を採取するよりもむしろ、不用品を再利用した方が、なるほどはるかに効率的であるなぁと思ったのです。とはいえ、不用品として出るのは言うまでも無く役目を終えたもの達だけですよね。まだ使えるものにまで“エコな自分に陶酔して”スクラップにまわしだすと本末転倒です。これには要注意です!“エコ陶酔症”の代表的な報告例としては、「手当たりしだい周囲の家電等を不要なものと決めつけて分解、そして分別」というものがあります。
これを「自己陶酔型リサイクル推進症」といいます。・・・いや、いいません。

さてさて話は変わりますが、“身近にあるアルミ“といえばジュースの缶やキッチンにあるアルミはくでしょうか。
前述のとおり車のホイールにも使われていますし、あるいは毎日の通勤で乗っている電車の車体もそうですよね。パラオに来るための飛行機もアルミの一種ですよ。よく観察すると身の周りはアルミだらけです。私は日頃ボートエンジン(船外機)を扱っていますが、実はこれもほとんどの構成部品がアルミでできています。そしてそれのメンテナンス等をしていればそれなりにゴミとして古くなった部品が出てくるわけですが、勿論そのままでは捨てません!エコな活動に酔っている自分ができる取り組みとして“そこまでやるか徹底分別“をひとりで行っています。それは、部品の中の部品の中の部品まで。ねじ1本に至るくらいまで徹底的に分別するわけです。とはいえ無理をして工具を壊すとそれがゴミになりますからほどほどですけれど。(写真3)

ゴミになるものに貴重な時間を費やすなんてもったいない、と聞こえてきそうですが、あの赤土の採掘現場を見て先人の大いなる努力を思うと、徹底分別なしで普通に捨てる気には到底なりません。そうだろ!みんな!?しつこいですがアルミ缶1本を作るにしても、何キロもの土を掘らないといけないか!
さらに「原材料からアルミを作る場合」と、「使用済みのスクラップから再生してつくる場合」を比較すると、電力エネルギーの必要量が随分違います。つまり再生品では二酸化炭素排出量が大幅減になるのです。
きれいな地球、きれいなパラオを守るのも一人一人の少しの一歩から、と思います。
いつしか私の徹底分解したアルミ屑が、世界を巡りに巡って遂にはこれを読んでいる、

あなた!のそばで又新しい役目を果たすかもしれないと考えるとワクワクしませんか?


みわ 伊井淳教 (いい あつのり)
1977/03/28 生まれ
2000年3月から移住。
趣味:各種溶接と製菓


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