オリジナルコラム
nicedaytour
執筆者: 乘附 久美子
vol.137 ブタ島大冒険
13701.jpgALII!! ELILAI Restaurant&Barの乘附久美子です。私がパラオに暮らすようになってもうすぐ1年。こちらのコラムには2度目の登場です。レストランにご来店下さったお客様からよく聞かれる質問の1つに、「お休みの日は何をしているんですか?」があります。アウトドアなイベントやマリンスポーツが大好きな私にとって、雄大な自然が身近にあるパラオはまさに天国!やりたいことがたくさんあり過ぎて、考えるだけでワクワクしてしまいます。というわけで、今日はパラオ的休日の過ごし方をご紹介したいと思います。

ある休日の朝。いつもより早起きして、朝と昼・2回分のお弁当を作り、前夜から用意した荷物を車に積み込んだら、いざ出発!目指すはバベルダオブ島最北端のアルコロン州。その先のブタ島と呼ばれている無人島に、自力で渡ってみよう、と言い出したのがことの始まり。初めてブタ島の写真を見せてもらった時、泳いでも行けるんじゃない!?と冗談半分に話していたのが、現地でカヤックをレンタルできるとの情報をもらってから俄然現実味を帯び、「カヤックで無人島上陸!計画」の実行となりました。

13702.jpg今回はカヤックの予約をした以外、完全なフリープラン=気の向くままに自由に寄り道&変更OK!波のチェックがてら朝食を、ということでマルキョクビーチで休憩してからさらに北に進みます。最近戦跡としてオープンした、第2次世界大戦中に使われていた灯台からは、バベルダオブ島最北端の景色が望め、空と海が織りなす青のグラデーションは、ため息が出てしまうほどの美しさです。目指すブタ島を目の前にして、これから始まる冒険に私たちの期待も高まります。

アルコロンの村はとてものどかな場所で、港に行く途中で出会ったこどもたちと、マンゴーとお弁当のパンケーキを交換したり、カヤックを借りる家への道を尋ねたら、「連れてってあげるよ!」と車に乗せてくれたり。心温まる人とのふれあいも、旅?の醍醐味ですね。

13703.jpg港からカヤックに乗り込み、いよいよ出航!風を避け、マングローブの森沿いに船を島に向けて進めていきます。カヤックで私が好きなのは、その静かさとゆっくり進むこと。スピードボートで風を切って進むのも気持ち良いけれど、エンジン音でかき消されてしまう自然の音や、あっという間に通り過ぎてしまう景色をゆっくり堪能できるのは、カヤックならではの魅力です。レジャーとしてのカヤックは、何度も体験したことがありますが、移動手段として利用するのは今回が初めて。素材こそ違え、昔の人たちと同じ方法でカヤック本来の目的を実践する、というのもこの旅の大切な目的のひとつです。

頭のすぐ上を鳥が飛んで行ったり、水面で魚が急にジャンプしたり。浅瀬で休んでいた小さなエイを驚かせてしまったり、カヤックを追いかけてきた大きなアジをサメと間違えて驚いたり。海辺に立つ大きな樹や、2つの島をつなぐロングビーチの思いがけない景色。遠くのリーフで波が砕ける音、光の加減でどんどん変わる海の色。島に到着するまでの約1時間半は、感動の連続であっという間でした。

ここはほんとにほんとの無人島。私たちの他には誰もいない、島を丸ごと貸し切りにできてしまう最高の贅沢です。そういえば、何かのキャンペーンで「無人島あげます」なんてありましたよね。何をしてもいい時間。何もしなくてもいい時間。穏やかに流れる時間の中で、与えられた幸せを誰かに感謝したくなるような、豊かな気持ちになれました。

さてさて、行きがカヤックなら帰りももちろんカヤックです。今回はデイトリップの装備しかないので、暗くなる前にアルコロン港に戻らなくてはなりません。ちょっと名残惜しいけれど、カヤックのお陰でかなり身近な存在になったブタ島に、「また来るね」と別れを告げ、バベルダオブ島に向けて再びこぎ出します。

13704.jpgそして、私たちの旅のクライマックスをダイナミックに締めくくってくれたのは、見事な夕日と夕焼けでした。今日という日を惜しむかのように、ゆっくりと水平線に沈んでいく太陽。太陽の思いに共感するかのように、真っ赤に染まる空と海。私たちも赤く照らされながら、無事港に辿り着いたのでした。お休みの度に、こんなことをしている訳ではありませんが、ちょっと思い立ってこんな休日を過ごせるのは、パラオに住んでいるからこそ。私にとってパラオは、住めば住むほどに好きになる、飽き足らない魅力に溢れた場所であり、常に新しい発見や感動をくれる場所です。普段何気なく見ている景色も、日常の出来事もすべて一期一会。ここに暮らせる幸せに感謝する毎日。愛するパラオでの南国満喫生活は、現在進行形です。
(記:10/05/30)

11804.jpg乘附 久美子 (のつけ くみこ)

海をこよなく愛する南国中毒者。
海辺の暮らしを求めてパラオに流れ着きました。
ELILAI・ Restaurant&Bar勤務。www.elilaipalau.com
vol.118 パラオに咲く花・プルメリア
11801.jpg前はフィリピンと沖縄でダイビングのインストラクターをしていましたが、現在はファンダイバー宣言をし、大好きなパラオの海を望むレストランで働いています。パラオ歴は半年とまだ日の浅い私ですが、どうぞ宜しくお願いします。

私が働くレストラン、「ELILAI」はパラオの言葉でプルメリアのこと。ハイビスカスやブーゲンビリアなどと並んで、南国を彩る花として知られていますよね。ここパラオでもあちこちで白や黄色、ピンクの色とりどりの美しいプルメリアの花が咲いているのをご覧頂けます。特に、空港のあるバベルダオブ島とコロール島を結ぶKBブリッジの両脇には真っ白な花のプルメリアの樹が並んでいてとっても素敵!橋を渡る度に、プルメリアの花々に「ALII!」と声をかけてもらっているような幸せな気持ちになります。

11802.jpg冬のある日本では育てるのが大変なプルメリアですが、南国パラオの気候なら簡単です。ちょっとかわいそうだけど、元気な樹から一枝ポキッと頂いたら、あとは水はけと日当たりの良い場所に挿してあげるだけ。地面に植えてあげると大きな樹に成長するプルメリアですが、鉢植えでも綺麗な花を咲かせてくれます。
葉や幹が傷ついた時に出てくる白い乳液は、薬として用いられることもあるそうですが、毒性もあるとか。私は少しベタベタするくらいでなんともありませんでしたけど、お肌の弱い方は気をつけて下さいね。
土に植えると、一度葉っぱが落ちて枝だけの淋しい姿になってしまいますが、しばらくすると瑞々しい若葉が出てきます。さらにしばらくすると、葉っぱの中央から蕾のもとが伸びてきて、ついに花を咲かせる準備段階に。ここから最初の花が咲くまでは、ちょっとじれったいくらいの時間がかかります。ゆっくりと蕾が膨らんで、花が咲いていく様子を見るのはとっても楽しいですよ。

11803.jpg以前暮らしていたフィリピン・セブには、私の名前がついたプルメリアの樹があります。
セブを離れる時に、育てていた鉢植えを引き取ってくれたのが、私を実の娘のように可愛がってくれていたナナイ(お母さん)でした。「Kumiがずっとセブにいられるように、家の庭に植えるからね。花が咲いたらKumiが笑っているって思うから、いつも笑顔でいなさい。」そう言って、私を送り出してくれたナナイの顔は、今も忘れられません。
先日、パラオに来て初めて育てたプルメリアが花を咲かせてくれました。大切な人と場所へつながる思い出の花。遠く離れた今も、ナナイが見守ってくれているような気がします。

半年という在住の短さにも関わらず、すっかりパラオの魅力にはまってしまった私。
愛し始めたパラオという土地に、私も愛されるよう願いをこめて、もうしばらくしたらこの鉢植えをパラオの大地に植えてあげようと思います。
このプルメリアがしっかりと根を張って、大きな樹に育ちますように。いつかたくさんの花を咲かせて、パラオを訪れる方々を「ALII!」と祝福する日が来ますように。

 

11804.jpg乘附 久美子 (のつけ くみこ)

海をこよなく愛する南国中毒者。
海辺の暮らしを求めてパラオに流れ着きました。
ELILAI・ Restaurant&Bar勤務。www.elilaipalau.com