オリジナルコラム
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執筆者: kiki
vol.114 パラオのスターナビゲーター(パラオ40代男の最後のロマンス!?)
11401.jpg年、3月半ばパラオからマスターナビゲーターセサリオを頭に11名のスーターナビゲーター(正式にはCELESTIAL NAVIGATORと呼ばれる 天体ナビゲーターの意)の卵達がサイパンに向けてアリガノマイス号に乗り込んだ。そして5月の末、76日間かけて無事感動の帰港を果たした。
このアリガノマイス号、ボヤージングカヌーと呼ばれる航海用カヌーであり、NON-INSTRUMENT NAVIGATION専用カヌーである。このNIN簡単に説明すると、通常の航海であればコンパスなどの計器を使い、方向を知り目的地に向かうが、NINでは天体、風、波、うねり、鳥、その他のあらゆる自然の現象をとらえ、自分の位置を確認し、進むべき方向を知るという伝統航海術だ。

このNIN、30年程前まではヤップのマスターマイランズ以外では完全に忘れ去られ失われた技術であり、そこでも門外不出の秘法であった為、知る人ぞ知る航海術であった。

11402.jpgそれを世に広めたのが今回のマスターナビゲーターセサリオの父である。マウ翁であり、あのナイノア・トンプソンだろう。2年程前、そのナイノアとセサリオがそれぞれホクレア号、アリガノマイス号のマスターナビゲーターを務め、ハワイから沖縄への航海の途中パラオに寄航した。その時パラオは、"GPSでも何でもある時代に、それこそ何でもあるハワイから航海計器を一切使わず小さなカヌーがやって来た"ことへの感動で盛り上がった。(私達もカヌーが島にいる間中、仕事がすっかり手につかなくなり何回もホクレア号を見に行った)その時の感動を忘れがたかった人達がセサリオを講師として招き入れ、パラオにも伝統航海術を学ぶ為のMICRONESIAN VOYAGING SOCIETYが2008年に発足したのである。

11403.jpg実は私の主人も第一期生として参加している。彼いわくCLASSはかなりハードで、まず基本となるスターコンパス(32種の星の図)を覚えさせられるらしい。しかし、これが全てサタワル語で初日からあんまりにもハードすぎる授業がショックだったのか、彼はカバンから何から全部クラスに置いて来てしまったり、脳の疲労の為だといって毎回アイスクリームを買い食いし太ったりしていた。それでも余程楽しかったとみえて、3?4時間ぶっ続けのクラスが週に4日もあるのに毎回うれしそうに出掛けて行っていた。
今回の航海も仕事の都合でサイパンからは飛行機で戻らざるを得なかったが、伝統航海術の虜になってしまった彼は、この先も又、何ヶ月も旅に出ることだろう。

セサリオをサイパンでも講師にという話があるそうだが、私はやはり折角パラオで発足したMICRONESIAN VOYAGING SOCIETY(ミクロネシア航海協会)是非ともパラオに本当の意味で根づいて欲しいと願う。
今、この何でもある世の中で、ほとんどの人達にとって必要のなくなった技術を学ぶ価値、意味をパラオの人達が理解をすることに、大きな意味があると強く感じるからだ。その為にはセサリオにはパラオでもう少し頑張って頂かなければ、そして彼が授業を続けるには、生徒が集まらなくてはならない。セサリオも''日本人も大歓迎!!''と言っていた。私達の言う所の''魂をゆさぶられるほどの感動''を少しでも多くの人達に味わってもらえたら、こんなにうれしい事は無い。


kiki

KiKi
趣味は畑をやっている割に花をいじる方が好きで、大工仕事、水の配管、裁縫どれも何が一番好きと言われると困る位好きだが、自分でもびっくりする程うまいのは左官である。
「基本的に何か作るのが好きなんだ」と言われて「料理以外はね」と言い続けてきた私だが、最近料理をやりだした。(結婚して十三年目にだ)
あまりに続いているため、周囲をおびやかして

vol.85 パラオで大きな衝動買い?!

 

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0年前、GUAMからPALAUへ移ってきたとき、私達夫婦はここで農業をやるつもりで来たのだが、運悪くその年はエルニーニョ。全く雨が降らず水道の水も一日に数時間しか使えず、政府から洗車、植物の水やり禁止令が出た。何ヶ月も待ったがなかなか農業が出来る様な状況にならず、では何か家で出来る事と安易に初めた店だが、少しづつ大きくして8年。そんな農家になる夢を半ば諦めかけていた頃に、本島(バベルダオブ)の土地の話があった。その時丁度主人の親しい人が亡くなり、お葬式の準備の真っ最中であった。(パラオではお嫁さん連中が喪に服している家族の為、朝昼晩と1ヶ月以上もの間食事の用意をするしきたりがある。はっきり言ってものすごい忙しさなのである。)

私と主人でそんな忙しい中二人でドロンだとよろしくないと言う事で、まず私一人で見に行ったのだが、なにせ土地を買うのは初めてだし、外はバケツをひっくり返した様な雨。
しかも数日中に決めてほしいと言う。そしてなぜか他言無用だと・・・。

結局主人を連れ出して一緒に土地を見に行き話があってから2日、3日でそこを私達の最初の農場にしようと決めた。土地を買った後も、土地の位置がはっきりせず、それならばと隣に土地を持つ人に聞いた所、「オレの土地はこっちだから、あんたのはあっち。」と言われたのに実際にはオレの土地が私達のだったりした。

売る人も隣に土地を持つ人ですら自分の土地の位置を把握していないという日本では考えられない様な話だったが、そこはなんと昔アバイ(パラオの男の集会所)があった場所で石を積み上げた土台がしっかり今も残っていて、村からそこに上がって来るまでの道も石畳が何百メーターも続いているなんともHOLY PLACEなのだ。丘の上なので一年中気持ちの良い風が吹いているし、朝日が望めるし、夕日も楽しめる。昔は村人が満月を愛る為にそこで集まったそうだ。

半分ジャングルだった所を機械を入れず2人だけで開墾した。それはそれは大変だったが手をかけただけに全てのものが愛しく、虫などなにがなんでも殺せないのだ。

ある時主人がうっかりカマでヘビを傷つけてしまった事があった。その時の彼は本当にヘビを気の毒がるあまり気絶しそうになっていたし、「まんねんひつ」とパラオで呼ばれる名の通り恐ろしく太くしかも刺されると大ヤケドをすると言う本当にいやな虫ですら「Oh!!こんな所に居るとケガしちゃうぞ」などと独り言を言い、ヘタするとこっちも大ケガしちゃうかもしれないので、慎重に「まんねんひつ」を移動している主人を私は目撃している。花や虫にこっそり話しかける、体の大きなパラオ人の主人を見る度、全然聞こえていないかの様に作業を止めぬ私だが日よけの大きな帽子の下で、ニヤリとしているのだ。蛍までいるこの土地で農薬は使えないと、手間はかかるが今も農薬を使わず畑をしている。

 

安易に初めたとは言え8年以上も続けた店を思い切って閉めて始めた農業。色々な人から「最近どーよ」と聞かれる度、ついへろへろにうれしい顔をするのがなんとなく申し訳ない様な、恥ずかしいよ様な気がして、ついつい渋い顔をしてしまうへんくつの私だが、実はあの土地を想うだけで「血沸き肉踊る」の心情なのだ。

 

 

 

 

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趣味は畑をやっている割に花をいじる方が好きで、大工仕事、水の配管、裁縫どれも何が一番好きと言われると困る位好きだが、自分でもびっくりする程うまいのは左官である。
「基本的に何か作るのが好きなんだ」と言われて「料理以外はね」と言い続けてきた私だが、最近料理をやりだした。(結婚して十三年目にだ)
あまりに続いているため、周囲をおびやかしている。